九州大学大学院 病態機能内科学(第二内科)

研究室紹介

脳循環研究室

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当科における脳卒中診療の歴史は,第4代教授・勝木司馬之助先生の時代まで遡る.1961年,勝木教授指揮のもと米国NIHとの共同研究で開始された久山町研究は,CT/MRIのない時代に開頭剖検による日本人の脳卒中疫学研究を行うものであった.その成果は高く評価され,久山町研究は第二内科のみならず九州大学の誇りとして今なお発展を遂げている.久山町研究開始後の1972年,山口武典先生(国立循環器病センター・名誉院長)・藤島正敏先生(第6代教授)を中心として脳循環代謝研究室が創設され専門診療と研究を開始した.当時は脳卒中診療の大部分を脳外科医が担う時代であり画期的なできごとであった.以後,当研究室は脳卒中の内科診療と研究を担う組織として多くの人材を輩出し,第二内科の発展ならびに脳卒中医療・医学の発展に大きく貢献してきた.

現在100名を超えるメンバーが急性期地域中核病院・リハビリ病院で活躍している.我々の強みは,“脳血管障害急性期内科診療”を共通言語として,最前線で救急診療に当たるもの,脳血管内カテーテル治療を専門とするもの,リハビリ医療・再生医療を専門とするもの,老年・認知症医療を専門とするもの,など医療レベルの向上・多様化に合わせてさらなる専門領域の強化をはかり切磋琢磨していることである.また,急性期医療で得られた貴重な臨床情報を前向き多施設共同研究・急性期脳血管障害データベースFukuoka Stroke Registry (FSR, http://www.fukuoka-stroke.net)として登録し,追跡情報と併せて情報発信の重要なツールとして用いている.2007年に開始した本研究では,関連施設に配置する30名以上のCRCの支援のもと膨大な臨床データとともに全例ゲノムと血漿が保存されている.2017年3月には登録数が13,000を超え(追跡率92%),国内外含め最大級の脳卒中データベースとなり,国際一流誌への論文掲載も続々と行われて広く認知されるに至っている.もう一つの我々の強みは,実臨床や臨床研究から生じた疑問や課題を,動物実験や分子細胞生物学的手法により研究できる体制を整えていることである.近年は,Neurovascular Unitの立場から脳梗塞発生後の組織障害と修復過程を,細胞・分子レベルで細かく見直し再生医療への糸口を模索する研究を主に展開している.また,心血管病と活性酸素種に関する研究や脳梗塞後の炎症応答に関する研究などでは,研究室メンバーにより世界トップレベルの論文報告を複数行なってきた実績も有する.臨床をベースとして基礎研究にも精通したものが組織内に多数存在することは,組織における脳血管障害診療の幅をより大きなものとしている.

高齢化社会が進む中,地域医療では脳血管障害ならびにその周辺疾患の診療に長けた医師の需要が急速に増加している.我々の果たすべき責務は大きく,地域脳卒中診療を担える人材の育成とともに日本における脳卒中診療・研究のモデルとなるべく情報を発信し続けたいと考えている.

(文責:吾郷哲朗)

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