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2021年5月16日(日)

清原卓也先生(H20)の論文がStroke誌に掲載されました!!

清原卓也先生(H20)の研究がStroke誌に掲載されました。

β-Cell Function and Clinical Outcome in Nondiabetic Patients With Acute Ischemic Stroke

近年、脳梗塞急性期の血糖コントロール不良が脳梗塞の転帰に悪い影響を及ぼすことがわかってきています。また血糖管理に関与する因子としてインスリン抵抗性とインスリン分泌能がありますが、これまでにFukuoka Stroke Registryのデータを用いて、インスリン抵抗性(HOMA-IR)が高いと脳梗塞後の転帰が不良となることを吾郷哲郎先生(H5)がNeurology誌に報告してきています。しかし、インスリン分泌能と脳梗塞後の転帰との関連はエビデンスが乏しく、不明な点が多い状況でした。

今回、清原卓也先生(H20)はFukuoka Stroke Registryのデータを用いて、非糖尿病患者3590人を対象に、インスリン分泌能(HOMA-β)と脳梗塞後の転帰との関連を検討しています。その結果、インスリン分泌能低下(HOMA-β低値)はインスリン抵抗性(HOMA-IR)とは独立して脳梗塞発症3ヶ月後の機能転帰不良(mRS≥3)と有意に関連(ハザード比 3.30, 95%信頼区間 2.15-5.05, 最小5分位群vs最大5分位群)すること報告しています。さらに、インスリン分泌能低下はインスリン抵抗性と相加的に機能転帰不良と関連することも示唆されました。

糖尿病には至っていなくても、インスリン抵抗性のみならずインスリン分泌能が脳梗塞発症後の転帰に有意に関連する結果とFukuoka Stroke Registryで示すことができました。脳梗塞の発症予防、再発予防のための治療への一助となることを期待しています。