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2023年3月24日(金)

木村俊介先生(H26)がAHAの2022年最優秀脳卒中研究者賞また日本心臓財団草野賞をダブル受賞しました!

国立循環器病研究センター脳血管内科に2019年4月〜2022年3月にかけて国内留学していました木村俊介先生(H26)が

同施設在籍中に行いました国際共同研究をもとに執筆された論文(Stroke 2022;53:1540-1549)が

米国心臓学会(American Heart Association: AHA)の「2022 Stroke Progress and innovation Award (the 1st prize)」と

若手脳卒中研究者への「日本心臓財団草野賞」をダブル受賞しました。

おめでとうございます!

 

Practical “1-2-3-4-day” rule for starting direct oral anticoagulants after ischemic stroke with atrial fibrillation: combined hospital-based cohort study

非弁膜症性心房細動(NVAF)を有する脳梗塞患者では、出血性合併症の予防目的に、欧州のガイドラインでは専門家の意見に基づき、一過性脳虚血発作は発症1日後、軽症脳梗塞は3日後、中等症では6日後、重症では12日後を目安に抗凝固薬服用を始める、いわゆる1-3-6-12-day ruleが推奨されています。しかしこの推奨は、より早期に抗凝固療法を初めて脳梗塞急性期での再発を予防したいとする現場との意見との乖離がありました。

そこで木村先生らは、SAMURAI-NVAF研究とRELAXED研究との統合解析において、抗凝固薬を早期投与した群(一過性脳虚血発作:1日後、軽症脳梗塞:2日後、中等症:3日後、重症:4日後)は遅れて投与した群と比較して、90日以内の①脳卒中ないし全身塞栓症、②脳梗塞の発症率が優位に低く、大出血発症率は同程度であることを報告しています。

この解析結果から、日本人のNVAF関連脳梗塞患者において、DOACの早期開始の有効性と安全性が示されました。

この1-2-3-4-day ruleは臨床の現場での経験に基づく判断に近い基準であるかと思われます。

 

国立循環器病研究センターHPでの発表(AHA)

国立循環器病研究センターHPでの発表(草野賞)