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2026年1月16日(金)

入江芙美先生(H14)の論文がQuality of Life Research誌に掲載されました!

虚血性脳卒中患者における健康関連QOL(Quality of Life)を、実臨床データに基づいて評価した研究成果が、Quality of Life Research 誌に掲載されました。

本研究では、福岡脳卒中レジストリ(Fukuoka Stroke Registry)に登録された虚血性脳卒中患者1,452例を対象に、EQ-5D-5L を用いて患者報告アウトカム(patient-reported outcome)としてのQOLを評価しました。さらに、脳卒中後の機能予後指標として広く用いられている modified Rankin Scale(mRS)とQOL指標との対応関係を解析し、utility-weighted mRS(UW-mRS)を推定しました。

その結果、mRSの重症度が高くなるにつれてEQ-5DによるQOLが低下する明確な関連が認められ、特にmRS 3から4にかけてQOLが大きく低下することが示されました。また、UW-mRSは解析手法によらず概ね一貫した値を示した一方で、評価時期や使用する国別タリフ(価値尺度)によって推定値が変動する可能性も明らかとなりました。

本研究は、実臨床に即した日本人脳卒中患者データに基づき、mRSから患者報告QOLを推定する実用的な枠組みを提示した点に特徴があります。臨床試験のみならず、医療経済評価やアウトカム研究において、患者視点を取り入れた評価の重要性を示す成果と考えられます。

 

Irie F*, Matsumoto K*, Matsuo R, et al.

Utility-weighted modified Rankin scale scores in patients with ischemic stroke: a multicenter observational study

Qual Life Res. 2026 Jan 9;35(2):26.

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/41511569/

 

今後も当研究室では、臨床指標と患者報告アウトカムを橋渡しする脳卒中研究を推進してまいります。