脳梗塞後の虚血再灌流障害における「フェロトーシス」とペリサイトとの関係を明らかにした研究成果が、Journal of Cerebral Blood Flow & Metabolismに掲載されました。
フェロトーシスは、細胞内への鉄の蓄積と脂質過酸化を特徴とする細胞死の一つで、近年、脳梗塞をはじめとするさまざまな疾患への関与が注目されています。一方、脳微小血管を構成するペリサイトは、血液脳関門の維持や脳梗塞後の組織修復に重要な役割を果たしますが、虚血再灌流後にどのような細胞死を生じるのかは十分に分かっていませんでした。
本研究では、マウス脳梗塞モデルにフェロトーシス阻害薬UAMC-3203を投与したところ、梗塞巣内のCD13陽性ペリサイトの生存が増加し、亜急性期における梗塞巣の縮小が促進されることが示されました。
さらに培養細胞を用いた検討では、フェロトーシスを誘導するRSL3によってペリサイトに選択的な細胞死と脂質過酸化が生じました。また、二価鉄(Fe²⁺)の細胞内への蓄積や、鉄を多く含むミエリン残骸への曝露によってもペリサイトのフェロトーシスが誘導され、これらの細胞死はUAMC-3203により抑制されました。
本研究は、脳虚血再灌流後にペリサイトがフェロトーシスに陥りやすい細胞であることを示したものであり、ペリサイトのフェロトーシスを抑制することが、脳梗塞後の組織障害を軽減し、組織修復を促進する新たな治療戦略につながる可能性があります。
Takaki H, Nakamura K, Takashima M, et al.
Ferroptosis of microvascular pericytes contributes to ischemia–reperfusion injury in mice.
Journal of Cerebral Blood Flow & Metabolism. 2026.
doi: 10.1177/0271678X261463955
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