新着情報NEWS

2026年8月10日(月)

佐原範之先生(H23)らの論文がCerebrovascular Diseases Extraに掲載されました!

急性期脳梗塞における中大脳動脈M2単独閉塞に対する血管内治療の有効性と安全性を検討した研究成果が、Cerebrovascular Diseases Extraに掲載されました。

近年、急性期脳梗塞に対する血管内治療(endovascular therapy: EVT)の適応は拡大していますが、中大脳動脈M2部などの中等度血管閉塞(medium vessel occlusion: MeVO)に対する有効性については、いまだ一定の見解が得られていません。

本研究では、福岡脳卒中レジストリ(Fukuoka Stroke Registry)に登録された急性期脳梗塞患者のうち、M2単独閉塞を認めた594例を対象として、EVT施行群118例と内科治療群476例を比較しました。さらに背景因子を調整するため傾向スコアマッチングを行い、各群100例ずつを比較しました。

解析の結果、3か月後の良好な機能予後(mRS 0–2)はEVT群49%、内科治療群46%、死亡率はそれぞれ7%、9%であり、両群に有意な差は認められませんでした。一方、画像上の頭蓋内出血はEVT群で多く認められましたが、症候性頭蓋内出血の頻度は両群とも5%でした。

本研究は、M2単独閉塞に対してEVTを一律に行うことの有効性は示されず、閉塞部位や症状、発症からの時間などを踏まえた個別の治療選択が重要であることを示唆しています。今後、M2閉塞に対するEVTの適切な患者選択を明らかにするため、さらなるランダム化比較試験が期待されます。

Sahara N, Hashimoto G, Nakamura K, et al.
Endovascular Therapy for Isolated M2 Occlusion in Patients with Ischemic Stroke: A Propensity Score-Matched Analysis.
Cerebrovasc Dis Extra. 2026;16(1):161–170.
doi: 10.1159/000552347

論文はこちら

https://karger.com/cee/article/16/1/161/949759/Endovascular-Therapy-for-Isolated-M2-Occlusion-in