医学生・研修医の方へFOR STUDENT & RESIDENT

先輩からのメッセージ

04.リハビリテーション

三浦 聖史

Kiyofumi Miura

長崎大学 H22卒

脳卒中医療を通した社会貢献
~臨床は発症予防から救急、リハビリテーションまで、研究は疫学から再生医療まで~
裾野の広い研究室で一緒に夢を追いかけませんか?

入局を決めたきっかけ

 心血管疾患に興味があり、救急件数が多い久留米市の聖マリア病院で初期研修を行いました。当時、血栓溶解療法(rt-PA静注療法)が普及してきており、目の前で劇的に神経症状が改善する脳梗塞の症例を経験しました。今後、さらなる超急性期治療のブレイクスルーの可能性を感じて脳卒中医療に興味を持ちました。
 当時の研究室主任である鴨打正浩先生(現 医療経営・管理学講座教授)から、「脳卒中医療を通した社会貢献」が研究室のモットーであると聞き、脳卒中という興味のある疾患領域の中で、自分のライフワークにできる仕事と出会える可能性を感じ、入局を決めました。聖マリア病院で指導医の先生方の人柄やフットワークの軽さに魅力を感じたことも大きかったです。

やりがいを感じた瞬間

 脳血管内科医として駆け出しの頃、日々の急患対応で忙しく働いていました。血栓溶解療法の適応がない脳塞栓症の患者さんに重度の後遺症が残ってしまい、「こんな事になるなら助けてくれなければ良かったのに」と言われたことがきっかけで、リハビリテーションの勉強をしたいと強く思いました。その経験を原動力に、リハビリテーション科専門医を取得し、現在は関連病院の回復期リハビリテーション病棟で勤務しています。
 急性期治療が終わり回復期リハビリテーション病院に転院して来られた患者さんの中には、障害を受容できず、うつ状態になる方もいらっしゃいます。そのような方々と日々少しずつでもできることが増えていくことを共に喜び、多少の後遺症が残ったとしても笑顔で退院してもらえた時に、やりがいを感じます。脳卒中医療はチーム医療です。色んな職種、患者家族と話し合いを重ねながらゴールを目指していくことはとても充実感があります。
 また、急性期治療だけではなく脳卒中のリハビリテーション治療も日進月歩です。療法士と一緒に試行錯誤しながら、エビデンスに基づいてその患者さんに最適な治療法を考えたり、退院後の生活環境を整える過程もとても楽しいです。

今後の目標

 私が現在勤務する回復期リハビリテーション病院は開院間もないため、まずは質の高いリハビリテーションを提供できるよう、院内スタッフの教育や先端機器の導入などの足固めをしています。また、今後、脳卒中への再生医療も実用化されることが予想され、今よりもさらに効果的かつ効率的なリハビリテーションとの併用が求められることになると思います。研究室の先生方と協力しながら、リハビリテーション科専門医の立場で地域・社会へ貢献ができればと思っています。