医学生・研修医の方へFOR STUDENT & RESIDENT

先輩からのメッセージ

05.留学

吉川 容司

Yoji Yoshikawa

九州大学 H21卒

医局は臨床能力を磨くだけでなく、
研究を含め様々ことに挑戦でき学べる場です

入局を決めたきっかけ

 学生時代は外科志望でしたが、実際に研修医として病院で勤務を始めた後に内科学の幅広さと奥深さに気づき内科に興味を持ちました。その中で脳卒中は多彩な症状を呈しかつ刻一刻と症状が増悪していくため、迅速で正確な診断が求められる病気です。自分自身がそのような診断力を身につけたいと思い入局を決めました。

やりがいを感じた瞬間

 治療を通じて患者さんが良くなった時にやりがいを感じるのはもちろんですが、これまで分からなかったことが分かるようになり新しく何かを学べた時にやりがいを感じます。大学院時代も脳循環代謝研究室においてマウスや細胞を使って細胞内のシグナルやタンパク質の働きなどを調べる基礎系研究を行い学位を取得しました。一見臨床と離れているように思われがちですが、様々な疾患の中には遺伝的要因やタンパク質の働きが悪くなることで細胞の恒常性が損なわれ発症するものがあります。代謝性疾患や遺伝性疾患が代表的で、学生や研修医時代はただ覚えているだけでしたが、基礎研究を通じて遺伝子やタンパク質の理解が深まることで疾患についての理解が格段に向上しました。また、最近次々と開発される治療薬も細胞内の新しい部位を標的にしているものが多いですが、どういうメカニズムで作用をしているのか理解が容易になりました。大学院で博士号を取得後、幸いにもアメリカで研究留学を行うことができ色々なことを学ばせてもらっていますが、臨床経験からだけではなく様々な分野から学ぶことが実際の臨床の場に生きることを実感しています。

今後の目標

 研究生活や留学も楽しいことだけではなく困難なこともありました。しかし、実際にやってみないと分からないこともたくさんありましたし、得たものはかけがえの無い一生の財産だと感じています。これからも挑戦する気持ちを持ち続け、これまでやってきたことを活かせるように日々精進してきたいと思います。