九州大学大学院 病態機能内科学(第二内科)消化器研究室

当科における臨床研究および治療 CLINICAL CASE STUDY

A型胃炎に合併した胃カルチノイドの治療指針に関する研究

臨床研究について

九州大学病院では、最適な治療を患者さんに提供するために、病気の特性を研究し、診断法、治療法の改善に努めています。このような診断や治療の改善の試みを一般に「臨床研究」といいます。その一つとして、九州大学病態機能内科学消化器研究室(消化管内科)では、現在A型胃炎に合併した胃カルチノイドを罹患されている患者さんを対象として、適切な治療方針の確立を目指すことために「臨床研究」を行っています。
今回の研究の実施にあたっては、九州大学医系地区部局臨床研究倫理審査委員会の審査を経て、研究機関の長より許可を受けています。この研究が許可されている期間は、2023年1月31日までです。

研究の目的や意義について

胃カルチノイドは胃に発生する神経内分泌腫瘍という腫瘍の一種であり、稀な腫瘍とされています。A 型胃炎 (自己免疫性胃炎)に伴う高度な胃粘膜萎縮が発生原因の一つですが、 その治療方針や長期予後は未だ明らかではありません。A 型胃炎に合併した胃カルチノイドの治療法は胃全摘術、胃前庭部切除術、胃部分切除術、内視鏡的切除術および経過観察と一定しておらず、その標準的治療や治療方法別の長期予後については、症例数が少ないためこれまでに十分な検討が行われていないのが現状です。
この研究では日本消化器内視鏡学会主導で、全国の他施設研究として症例を集め、A型胃炎に伴う胃カルチノイドの適切な治療方針の確立を目指すことを目的としています。

研究の対象者について

九州大学病院へ通院歴のある患者さんで、A型胃炎とカルチノイド腫瘍に罹患されていることが確認された患者さんを対象とさせていただきます。
対象数は承認日前および承認日以降の症例を併せ、全施設で合計200例です。当施設からは5例以上を目標としています。
研究の対象者となることを希望されない方又は研究対象者のご家族等の代理人の方は、当研究室までご連絡ください。直ちに当該被験者の診療情報を対象から除外し、本研究に使用しないこととします。

研究の方法について

研究対象者の診療録から検査結果、治療方法、治療後の経過などを解析し、治療指針の確立や長期予後を検討します。研究代表施設の川崎医科大学より、日本消化器内視鏡学会のホームページを通じて、全国多施設に協力を依頼されています。 診療録を用いて各症例の病理結果、治療方針、予後等を症例登録用紙に記入し、浜松医科大学の症例登録サーバに登録します。その後研究代表施設にてデータの解析を行います。

〔取得する情報〕
診断日、診断時年齢、性別、治療法、内視鏡的治療の方法、現在の状況、腫瘍の大きさ、発生部位、腫瘍の深達度、脈管侵襲、転移、腫瘍数、腫瘍型、腫瘍の形態、ガストリン値、抗壁細胞抗体、抗内因子抗体、ペプシノゲンⅠ、ペプシノゲンⅡ、ペプシノゲンⅠ/Ⅱ比、内分泌細胞微小胞巣(ECM)、Helicobacter pylori感染、Helicobacter pylori除菌歴、プロントンポンプ阻害薬内服、Ki-67 index、MIB-1index、核分裂数、複病変、診断時貧血、ビタミンB12、自己免疫性内分泌疾患

個人情報の取扱いについて

研究対象者の情報をこの研究に使用する際には、研究対象者のお名前の代わりに研究用の番号を付けて取り扱います。研究対象者と研究用の番号を結びつける対応表のファイルにはパスワードを設定し、九州大学大学院病態機能内科学消化器研究室内のインターネットに接続できないパソコンに保存します。このパソコンが設置されている部屋は、同分野の職員によって入室が管理されており、第三者が立ち入ることはできません。
また、この研究の成果を発表したり、それを元に特許等の申請をしたりする場合にも、研究対象者が特定できる情報を使用することはありません。
この研究によって取得した情報は、九州大学大学院病態機能内科学教授・北園 孝成の責任の下、厳重な管理を行います。
研究対象者の情報を浜松医大へのデータベースに登録する際には、九州大学にて上記の処理をした後に行いますので、研究対象者を特定できる情報が外部に送られることはありません。

試料や情報の保管等について

〔情報について〕
この研究において得られた研究対象者のカルテの情報等は原則としてこの研究のために使用し、研究終了後は、九州大学大学院病態機能内科学において同分野教授・北園孝成の責任の下、10年間保存した後、研究用の番号等を消去し、廃棄します。

研究に関する情報や個人情報の開示について

この研究に参加してくださった方々の個人情報の保護や、この研究の独創性の確保に支障がない範囲で、この研究の研究計画書や研究の方法に関する資料をご覧いただくことができます。資料の閲覧を希望される方は、ご連絡ください。
また、ご本人等からの求めに応じて、保有する個人情報を開示します。情報の開示を希望される方は、ご連絡ください。

研究機関

研究実施場所 九州大学大学院医学研究院病態機能内科学
九州大学病院消化管内科
研究責任者 九州大学大学院病態機能内科学 教授 北園孝成
研究分担者 九州大学病院消化管内科・講師・江崎幹宏
九州大学病院消化管内科・併任講師・森山智彦
九州大学病院消化管内科・助教・鳥巣剛弘
九州大学病院消化管内科・助教・平野敦士
九州大学病院光学医療診療部・助教・藤岡審
九州大学病院消化管内科・医員・岡本康治
九州大学病院消化管内科・臨床助教・冬野雄太
九州大学病院光学医療診療部・医員・永田豊
九州大学大学院医学系学府病態機能内科学・大学院生・膳所圭三
九州大学大学院医学系学府病態機能内科学・大学院生・田中貴英
九州大学大学院医学系学府病態機能内科学・大学院生・井原勇太郎
(研究計画書作成担当者)
共同研究施設 代表施設:川崎医科大学 
研究代表者:日本消化器内視鏡学会・監事・春間 賢
事務局:日本消化器内視鏡学会「A 型胃炎に合併した胃カルチノイドの治療指針に関する研究会」
データセンサー:浜松医科大学臨床研究センター
解析:日本消化器内視鏡学会「A 型胃炎に合併した胃カルチノイドの治療指針に関する研究会」
共同研究施設(2017年12月現在)
藤田保健衛生大学第2病院内科 乾 和郎(総括)
市立伊丹病院消化器内科 飯石 浩康(総括)
日本大学病院消化器肝臓内科 後藤田 卓志(関東総括)
新潟県立吉田病院消化器科 佐藤 祐一(甲信越総括)
国立がん研究センター中央病院消化器内視鏡グループ 鈴木 晴久(関東総括)
癌研究会有明病院内視鏡診断部 藤崎 順子(関東総括)
北里大学医学部消化器内科学 石戸 謙次(関東総括)
藤枝市立総合病院消化器内科 丸山 保彦(東海総括)
松山赤十字病院胃腸センター 藏原 晃一(四国総括)
福岡赤十字病院消化器内科 平川 克哉(九州総括)
京都大学大学院総合生存学館思修館 千葉 勉(関西総括)
広島大学病院消化器・代謝内科 伊藤 公訓(中国総括)
横浜栄共済病院 細川 治(関東総括)
順天堂大学医学部人体病理病態学 八尾 隆史(病理学総括)
福井県立病院病理 海崎 泰治(病理学総括)
東北大学病院消化器内科 小池 智幸(東北総括)

連絡先

この研究への登録を希望されない患者様は下記にご連絡下さい。

〒812-8582 福岡市東区馬出3丁目1-1 九州大学病院 病態機能内科(第二内科)
電話:092-642-5261(消化器研究室) FAX:092-642-5273
メール:yihara@intmed2.med.kyushu-u.ac.jp
担当:九州大学大学院病態機能内科学大学院生 井原勇太郎

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