九州大学大学院 病態機能内科学(第二内科)消化器研究室

病気と治療について FOR PATIENT

患者様へ

当科では日本消化器病学会および日本消化器内視鏡学会により認定を受けた経験豊富な専門医、指導医を中心に診療および治療を行っています。

当科で診療を行っている主な病気

①炎症性腸疾患

炎症性腸疾患とは、腸の粘膜に炎症を引き起こす病気の総称で、主に厚生労働省の指定難病である潰瘍性大腸炎とクローン病を指します。いずれの病気も原因は分かっておりませんが、現在多くの治療薬が開発されており、当科ではその治療薬を駆使し多くの患者さんを治療しております。また、腸管ベーチェット病や単純性潰瘍、非特異性多発性小腸潰瘍症などの難病も診療しております。

②消化管癌

現在、日本人の2人に1人は一生のうちに何らかの癌にかかるといわれています。消化管は口腔から始まり、食道、胃、小腸、大腸を経て肛門に至るまでの消化・吸収代謝機能をつかさどる臓器ですが、その中でも食道、胃、大腸は癌がよくできる場所です。しかしながら早期に発見できれば多くの癌が根治可能で、早期癌の中でもさらに早期の病変に対しては、お腹を切らずに内視鏡を用いて消化管の中から癌を切除する内視鏡的粘膜切除術(EMR)や内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)が可能であり、当科でも多くのEMRやESDを行っております。また、癌の前の段階である食道の異形成や胃、大腸ポリープに対しても内視鏡治療を行っております。

③消化管悪性リンパ腫

悪性リンパ腫は白血球のうちリンパ球が悪性化する病気で、あらゆる部位に発生します。消化管特に胃、小腸、大腸によく発生します。治療法は化学療法と放射線治療が中心で、患者さんの状態、リンパ腫の種類、臨床病期(ステージ)に基づいて治療方針を決定しております。

④消化管ポリポーシス

消化管に多くのポリープできる病気で、原因には遺伝性のものと非遺伝性のものがあります。ポリープの組織によって分類し疾患ごとに最適な治療を行っております。多くは癌化のリスクを伴うため、定期的な内視鏡検査とポリープ切除を行っております。

⑤小腸疾患

小腸の病気は消化管のなかでは比較的稀ですが、近年様々な病気が発見されております。当科では小腸用の内視鏡機器(カプセル内視鏡、バルーン内視鏡)を用い小腸の病気を発見、診断し、必要に応じて内視鏡治療も行っております。

当科で行っている内視鏡治療

食道・胃・十二指腸・大腸のポリープ切除や早期の食道癌・胃癌・大腸癌の内視鏡治療を行っています。

内視鏡的粘膜切除術(EMR)

従来より行なわれている食道・胃・大腸の腫瘍(腺腫および癌)の内視鏡治療であり、当科では多数の症例の豊富な治療経験を持っています。

内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)

近年普及している食道・胃・大腸の腫瘍(腺腫および癌)の内視鏡的治療法です.従来法(EMR)より正確で範囲の広い病変の切除が可能となり,当科でも本法での治療例が増加しています。

内視鏡的ポリープ切除術(ポリペクトミー)

食道・胃・大腸のポリープや早期大腸癌の切除を多数の症例で行なっています。

内視鏡的止血術

胃、十二指腸潰瘍や大腸憩室などの消化管出血の緊急処置を行なっています。

経皮的内視鏡下胃瘻造設術(PEG)

外科医と連携し経口摂取が困難な場合に内視鏡を用いた胃瘻造設を行なっています.手術による胃瘻造設に較べ患者様の負担の少ない方法です。

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