九州大学大学院 病態機能内科学(第二内科)消化器研究室

当科における臨床研究および治療 CLINICAL CASE STUDY

胃内視鏡的切除後の粘膜欠損に対する内視鏡的手縫縫合法の有用性検討

臨床研究について

九州大学病院では、最適な治療を患者さんに提供するために、病気の特性を研究し、診断法、治療法の改善に努めています。その一つとして、九州大学病院 肝臓・膵臓・胆道内科および消化管内科では、現在胃腫瘍に対する内視鏡治療後の内視鏡的手縫縫合法(ないしきょうてきてぬいほうごうほう)が有用であるかに関する「臨床研究」を行っています。
今回の研究の実施にあたっては、九州大学医系地区部局観察研究倫理審査委員会の審査を経て、研究機関の長より許可を受けています。この研究が許可されている期間は、2029年3月31日までです。

研究の目的や意義について

早期の胃腫瘍という言葉は、早期胃癌を含んだ腫瘍性病変のことを示します。治療法としては、経過観察をしない場合には内視鏡による切除もしくは外科手術を行うのが一般的です。このうち内視鏡による切除は胃を温存できる負担の少ない方法であり、優れた方法ではありますが、その一方で内視鏡による切除後には一時的に胃潰瘍ができ、食事再開後等にあとから出血や、処置しばらくして胃壁に穴が開く遅発性の穿孔という合併症を引き起こすことがあります。この対策として、病変を切除し形成された胃潰瘍部を胃内から縫い閉じる内視鏡的手縫縫合法という方法が開発され、専用の機器が2022年に発売されました。本方法は論理的には出血や穿孔を予防できることが期待される一方で、その手技自体をどのように行うと効果的で、効率的に潰瘍を縫い閉じることができるのかいまだ不明な部分が多いのが現状です。
そこで、今回、早期胃腫瘍の治療後に内視鏡的手縫縫合法を過去に行った症例を九州大学病院および共同研究機関(長崎みなとメディカルセンター、大牟田市立病院)で集積し、その有用性や効率的な使用法、また問題点やデメリットを解明することを目的として、本研究を計画しました。本研究を行うことで、将来的に患者さんが本手技をより効率的に、そして効果的に受けることができるようになり、内視鏡治療後の後出血や遅発性の穿孔がより減らせるようになる可能性があります。

研究の対象者について

九州大学病院 肝臓・膵臓・胆道内科および消化管内科、大牟田市立病院 消化器内科、長崎みなとメディカルセンター 消化器内科において2021年4月1日から2024年12月31日までに胃腫瘍に対して内視鏡による切除を行った後に、潰瘍面に対して内視鏡的手縫縫合法をうけた方100名(当院では40名)を対象にします。
研究の対象者となることを希望されない方又は研究対象者のご家族等の代理人の方は、事務局までご連絡ください。

研究の方法について

 この研究を行う際は、カルテより以下の情報を取得します。取得した情報を用いて内視鏡的手縫縫合法の有用性について分析を行います。

〔取得する情報〕患者年齢、性別、病変部位、病理学的診断、内視鏡所見、血液検査データ、血圧、脈拍数、体温、呼吸数、意識レベルの治療前後の情報
〔利用又は提供を開始する予定日〕研究許可日以降
長崎みなとメディカルセンター、大牟田市立病院で取得した情報も各施設で個人が特定できないように加工したうえで、九州大学のファイル共有システム (Proself) を用いて九州大学に送付し、詳しい分析を行う予定です。他機関への試料・情報の送付を希望されない場合は、送付を停止いたしますので、ご連絡ください。

研究への参加を希望されない場合

この研究への参加を希望されない方は、下記の相談窓口にご連絡ください。

なお、研究への参加を撤回されても、あなたの診断や治療に不利益になることは全くありません。
その場合は、収集された情報は廃棄され、それ以降はこの研究目的で用いられることはありません。
ただし、すでに研究結果が論文などで公表されていた場合には、完全に廃棄できないことがあります。

個人情報の取扱いについて

研究対象者のカルテの情報をこの研究に使用する際には、研究対象者のお名前の代わりに研究用の番号を付けて取り扱います。研究対象者と研究用の番号を結びつける対応表のファイルにはパスワードを設定し、九州大学大学院医学研究院 病態制御内科学分野内のインターネットに接続できないパソコンに保存します。このパソコンが設置されている部屋は、同分野の職員によって入室が管理されており、第三者が立ち入ることはできません。また本研究においては共同研究機関から九州大学へ情報の送付を行いますが、その際も各施設で対応表を作成し、個人が特定できないようにしてから九州大学で情報を集積いたします。
また、この研究の成果を発表したり、それを元に特許等の申請をしたりする場合にも、研究対象者が特定できる情報を使用することはありません。
この研究によって取得した情報は、九州大学大学院医学研究院 病態制御内科学分野・教授・小川佳宏の責任の下、厳重な管理を行います。
ご本人等からの求めに応じて、保有する個人情報を開示します。情報の開示を希望される方は、ご連絡ください。

試料や情報の保管等について

〔情報について〕
この研究において得られた研究対象者のカルテの情報等は原則としてこの研究のために使用し、研究終了後は、九州大学大学院医学研究院 病態制御内科学分野において同分野教授・小川佳宏の責任の下、10年間保存した後、研究用の番号等を消去し、廃棄します。
しかしながら、この研究で得られた研究対象者の情報は、将来計画・実施される別の医学研究にとっても大変貴重なものとなる可能性があります。そこで、前述の期間を超えて保管し、将来新たに計画・実施される医学研究にも使用させていただきたいと考えています。その研究を行う場合には、改めてその研究計画を倫理審査委員会において審査し、承認された後に行います。

この研究の費用について

この研究に関する必要な費用は、九州大学大学院医学研究院 病態制御内科学分野の講座寄附金でまかなわれ、患者さん個人に負担が発生することはありません。

利益相反について

九州大学では、よりよい医療を社会に提供するために積極的に臨床研究を推進しています。そのための資金は公的資金以外に、企業や財団からの寄付や契約でまかなわれることもあります。医学研究の発展のために企業等との連携は必要不可欠なものとなっており、国や大学も健全な産学連携を推奨しています。
一方で、産学連携を進めた場合、患者さんの利益と研究者や企業等の利益が相反(利益相反)しているのではないかという疑問が生じる事があります。そのような問題に対して九州大学では「九州大学利益相反マネジメント要項」及び「医系地区部局における臨床研究に係る利益相反マネジメント要項」を定めています。本研究はこれらの要項に基づいて実施されます。
本研究に関する必要な経費は九州大学大学院医学研究院 病態制御内科学分野の講座寄付金でまかなわれるため、研究遂行にあたって特別な利益相反状態にはありません。
利益相反についてもっと詳しくお知りになりたい方は、下記の窓口へお問い合わせください。

利益相反マネジメント委員会
(窓口:九州大学ARO次世代医療センター 電話:092-642-5082)

研究に関する情報の公開について

この研究に参加してくださった方々の個人情報の保護や、この研究の独創性の確保に支障がない範囲で、この研究の研究計画書や研究の方法に関する資料をご覧いただくことができます。資料の閲覧を希望される方は、ご連絡ください。
また、この研究では、学会等への発表や論文の投稿により、研究成果の公表を行う予定です。

特許権等について

この研究の結果として、特許権等が生じる可能性がありますが、その権利は九州大学及び共同研究機関等に属し、参加してくださった方々には属しません。また、その特許権等を元にして経済的利益が生じる可能性がありますが、これについても参加してくださった方々に権利はありません。

研究を中止する場合について

研究責任者の判断により、研究を中止しなければならない何らかの事情が発生した場合には、この研究を中止する場合があります。なお、研究中止後もこの研究に関するお問い合わせ等には誠意をもって対応します。

研究機関

研究実施場所 九州大学病院 肝臓・膵臓・胆道内科
九州大学病院消化管内科
九州大学大学院医学研究院 病態制御内科学分野
研究代表者 九州大学病院 肝臓・膵臓・胆道内科 助教 蓑田 洋介
研究責任者 九州大学病院 肝臓・膵臓・胆道内科 助教 蓑田 洋介
研究分担者 九州大学病院 消化管内科 助教 長末 智寛
共同研究機関等 ① 九州大学病院 肝臓・膵臓・胆道内科 
助教 蓑田 洋介(中村 雅史):研究代表機関、情報の収集、解析
② 長崎みなとメディカルセンター 消化器内科
医長 岡村 卓真(門田 淳一):情報の収集
③ 大牟田市立病院 消化器内科 
部長 森田 拓(鳥村 拓司):情報の収集
業務委託先 なし

連絡先

この研究への登録を希望されない患者様は下記にご連絡下さい。

〒812-8582 福岡市東区馬出3丁目1-1 九州大学病院 病態機能内科(第二内科)
電話:092-642-5261(消化器研究室) FAX:092-642-5273
メール:nagasue.tomohiro.414@m.kyushu-u.ac.jp
担当:九州大学病院消化管内科 助教 長末 智寛

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