植木香奈先生(H24)のCase ReportがJ Neurol Sci誌に掲載されました。

植木香奈先生(H24)のCase ReportがJ Neurol Sci誌に掲載されました。

植木先生が大学病院の病棟医員の際に当初は脳梗塞が疑われて転院してきた方で、最終的にMELASと診断したStroke mimicsの症例を報告しています。
MELASは40歳前後で発症することが多いとされていますが、最近は60歳以上での発症も報告されており、本症例は76歳での発症と検索しうる報告症例内で最高齢での発症症例です。
また本症例は通常のDNA sequenceではミトコンドリア遺伝子異常を見いだすことができませんでしたが、デジタルPCRで遺伝子異常を検出して診断につながりました。
本症例で認めたミトコンドリア遺伝子異常のm.3243A>Gは10万人あたり16〜236人の頻度で認めると報告(Manwaring N, et al. 2007)されていますので、高齢者でのStroke mimicsの中に通常の遺伝子検査では診断がつかないMELASの症例が潜んでいる可能性を考えさせられた興味深い症例かと思われます。

Mitocondrial myopathy, encephalopathy, lactic acidosis, and stroke-like episodes due to m.3243A>G mutation in a 76-year-old woman
J Neurol Sci 2020 Mar 19;412:116791. doi: 10.1016/j.jns.2020.116791. [Epub ahead of print]